第35中隊
台湾で成功した練習機のAT-3の攻撃機型”AT-3B"は、決して性能の優れた機体ではなかったはずだが、そこは日本も同じで「国産の戦闘機」に対する思い入れが熱いのである。この攻撃機は、夜間での艦船や上陸部隊などへの地上攻撃を任務としており、昼間 他国の制空圏内を堂々と飛ぶ思想は最初から持っていなかった。テレビでの取材も”夜間攻撃訓練”に集中していた。当時 F-104Gの引退 F-5の老朽化 戦闘機の不足が深刻な中 20機程の勢力ながら 台湾の防衛を支えた35中隊は、国民の期待を背負った存在だったのだ。
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彼ら公式にはCCKに本拠地を置く飛行隊であったが、35中隊としての活動期間の多くを北部の新竹空軍基地で過ごした。従って新竹の航空祭では、F-104Gとともに彼らの活動を目にすることができた。練習機から派生したAT-3とは言え、迷彩を施された軍用機のタキシングは興奮する。前席と後部席の高さの違いがはっきり分かる、こんな所が練習機の血をひく機体の所以である。
中隊の定数20機と言われ、0844号機から0863機までが当 第35作戦隊に配備されたとあるが、機体の損耗などにより訓練飛行隊から番号の古い機体の補充を受けた形跡がある。
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